2025年 共通テスト 英語 リーディング 大問別・傾向と対策
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訳 あなたは,動物の習性に関する科学研究プロジェクトのためにプレゼンテーションの準備をしています。以下の記事で興味深い情報を見つけたので,今,その概要を作成しています。動物の睡眠パターン もしあなたが一日じゅうずっと家で過ごすようなことがあれば,飼っている猫が日中はよく眠り,夜中や早朝に活発になることに気づくかもしれない。その一方で,人間は,ほとんどの日中と夕方の時間帯は起きていて,夜中に長い時間眠る。睡眠は動物の心身の健康のため,そして体を効率的に機能させるために不可欠なものだ。脳と中枢神経系を持つ動物にとって,睡眠とは一般的に,一定の姿勢,閉じられたまぶた,身体活動の全体的な低下,反応速度の遅延などを特徴とする意識の変化した状態と定義される。睡眠はまた,脳のニューロンにリセットする機会を与え,体に活力を与える。ほとんどの生物は睡眠を経験するが,その性質やパターンは種ごとに異なる。 24 時間という周期の中で異なる睡眠パターンが示されることが,さまざまな種類の動物で確認されている。一般的には3種類のパターンがあり,それぞれ単相性,二相性,多相性と呼ばれる。単相性睡眠は,人間や多くの大型動物に見られるもので,個体が何時間も起きて活動した後で長い時間眠る場合を指す。一部の鳥類,昆虫,哺乳類は,ある種の二相性睡眠という睡眠パターンを取る。二相性睡眠では,動物は覚醒と睡眠の時間を2回繰り返し,1回目の睡眠は長時間で,残りの1回は昼寝のようなものである。犬や猫の場合は多相性睡眠で,1日を通して覚醒と睡眠の時間を4回から 6 回繰り返す。 睡眠パターンは,動物の体の大きさ,身体的な必要性,食事によって異なる。リスやネズミなどの小型動物は,すばやく頻繁に移動するためにエネルギーを消費しやすい。そのせいで,何度も眠る必要があるが,睡眠時間は短くなる。ライオンは肉食動物で,その食料源によって空腹が長時間満たされるため,睡眠時間は長くなる。一方,野生の馬などの大型草食動物は,植物性食品からの摂取カロリーが比較的少ないので肉食動物よりも睡眠時間が短く,その結果,ほとんどの時間を餌探しに費やす。 身の安全は,睡眠パターンを左右するもう1つの要素である。安全な空間を確保できる動物は睡眠時間が長くなる傾向があるのに対し,常に警戒をしている必要がある動物は睡眠時間が短くなる。類人猿は密林の地面よりも高い位置にある寝床で眠り,敵から身を守る。ウサギなどの小型動物の中には,地面に穴を掘って捕食者に見つかりにくい隠れ家を作るものもいる。その結果,安心して,より長く眠ることになる。これとは対照的に,ゾウは長距離を移動することが多く,ハンターやほかの動物に襲われる危険にさらされていると感じがちなので睡眠時間が短くなる。 これまで見てきた動物の睡眠パターンは,代表的な例である。設問データ(令和 7 年度共通テストによる)設問数/マーク数配点本文語数目標解答時間CEFR レベル5 問/616 点約 1000 語約 12 分B1 程度共通テスト 英語 リーディング 大問別・傾向と対策第7問前回まで第6問 A と B で出題されていた長い論説文(見開きで2ページ程度)が今回の第7問に引き継がれている。これまでと同様に設問用に空欄付きのメモが用意されている。論説文が取り扱ってきたジャンルは,社会問題,環境問題,健康,生物学,心理学など多岐にわたる。なお,今回は,グラフを使った問題が新たに加わっている。 例題  ※第 5 回(令和 7 年度)共通テスト本試験より抜粋

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